全社会議を“自分ごと化”して活性化させる5つのポイント

  • Facebookでシェアする
  • Xでシェアする
  • デザイン経営
  • コミュニケーションデザイン
  • コンセントカルチャー
  • 中岡 慎介のプロフィール写真

    中岡慎介ウェブディレクター

漫画:「朝礼といえばどんなイメージ?」という問いかけと、筆者中岡の朝礼のイメージが描かれている。校長の話をなぜか真剣に聞く生徒達。校長は気づいていないが、その理由は校長が口癖を言った回数を当てると景品がもらえるからだった。というオチ。

これはあくまでも私のイメージですが……朝礼のような場は、情報を伝える側と受け取る側のギャップが生まれやすい場だと思います。

さて、コンセントにも朝礼に当たるような月一の全社会議があります。「グッドモーニング!コンセント」と名付け、司会(キャスター)が進行する番組形式で行っています。業績の報告や新制度の紹介など、会社からコンセントメンバーに必ず知ってほしいことを伝える時間として定着しています。

とある月のグットモーニングコンセントのアジェンダ。新入社員紹介、広報トピックス紹介など計9個の議題がある。

新しく入社したメンバー本人による自己紹介、各活動の報告や予告、社内イベントの案内など毎月さまざまなトピックスで構成されている。

全社会議は後日録画でも確認できますが、リアルタイムでの参加者数は多いときで全メンバーの80%以上に当たる200名以上、会議中の参加者からのコメント数も100件以上寄せられるなど、一定の支持が得られています(と思っています)。

今回はグッドモーニング!コンセント、略してグッドモの運営・司会を務める中岡から、全社会議の設計において心がけているポイントをご紹介します!

「グットモーニングコンセント」と書かれた大きな吹き出しを、筆者の中岡が指し示しているイラスト。

1.アジェンダは全メンバーから持ち寄り形式で集める

グッドモは「全員参加型」「ボトムアップ型」の会議にしたいという考えから、業績共有や新メンバー紹介など定例で伝えるアジェンダ以外は全て、メンバーから募集しています。そうすることでグッドモを一方的に情報を受け取る場ではなく、双方向に情報を共有し合える場所として認識してもらうことを意識しています。

コンセント社内のオンラインコミュニケーションツール上で、運営担当者が全社に対してアジェンダを募る様子。

毎月のアジェンダ募集スレッド。話したい議題のあるメンバーは、こちらに対してコメントをぶら下げていく。

2.メンバーがリラックスして視聴できる演出

1on1など対話が重要なMTGでは、「『よろしくお願いします』で始めてはいけない」「緊張させない雰囲気づくりが重要」といわれます。全社会議であるグッドモでも雰囲気づくりを重視していて、コンセントはリラックスして働ける会社、という共通認識を毎月確認しています。

開始時間の1〜2分前には司会者が登場して、どうでもいいことをゆるゆると話しながらスタート。メンバーがつくったオリジナルジングルを流してから本編が始まります。

オンライン会議の画面上で、中岡ともう1人の司会が登場している様子。

本編スタート前の雑談タイムの様子。この日は夏休みの宿題の思い出について話した。

コンセントの業績を共有するコーナーは、毎年コンセプトを設けて実施しています。この年度は「運動会」がテーマでした。担当役員とメンバーがコスプレして出演・解説してくれます。

オンライン会議の画面上で、スライドを投影しながら、先生役の担当役員と生徒役の社員がコスプレして解説する様子。スライドもテーマの「運動会」に合わせたあしらい・テイストになっている。

司会者と登壇者は「グッドモ!」とあいさつコールをし合ってから発表がスタートします。たとえ代表であっても「グッドモ!」挨拶は必須です。

オンライン会議の画面上で、中岡と長谷川社長が「グットモ!」と挨拶し合っている様子。

代表取締役社長の長谷川と挨拶をする様子。

3.「視聴」だけでなく「参加」できる仕組みづくり

グッドモの進行においては、リアルタイムで会議チャット欄のコメントに目を通し、リアクションを取ることを心がけています。そうすることで、参加側はささいなことでもコメントしやすくなり、コメントするモチベーションにもつながると考えています。

オンライン会議中のチャットの様子。話題に対する小ネタが会話されている。

会議中、チャット欄は自由に利用してOK。新メンバーの自己紹介に合いの手が入ったり、発表者への日頃の感謝を伝えたりといった交流が起きている。

オンライン会議のアンケート機能を仕様している様子。テーマは「夏休みの宿題…どう終わらせるタイプだった?」。116件もの回答が得られている。

グッドモの冒頭でチャット欄にアンケートを投稿することにより、視聴者を「参加」モードへと緩やかに切り替える。結果はエンディングで発表。

チャット欄が活発になることで、やりとりに直接参加しないメンバーにとっても、一方的に情報伝達されている印象が薄らぐ効果もあると思っています。さらに、参加者からの声をリアルタイムで受け取れる仕組みがあることで「特に盛り上がった瞬間」や「興味をもたれやすい話題」をくみ取れるため、アジェンダ設計や進行の参考にしています。

4.聞き手視点での質問やコメントを心がける

グッドモの司会では「会社の動きについて、現場の一員としてコメントする」ことを心がけています。役員やマネージャーから紹介される情報に対しても「検討経緯を知らない、背景がわからない立場からの質問」をすることで、登壇者と視聴者、また経営と現場の理解のズレを埋める場として機能させています。

オンライン会議の画面上で、発表者の話を聞きながら司会がコメントをしている様子。社内勉強会の告知には内容に対する良いところを真面目にコメント。
オンライン会議の画面上で、発表者の話を聞きながら司会がコメントをしている様子。ユニークな発表やカジュアルな話題にはツッコミをいれラフな雰囲気に。

発表中の一幕。その情報が社内でどんな位置付けのものであり、どう受け取られるべきものなのか? という空気感も含めて伝える。

5.話す人の“人となり”を知ってもらうことを大切に

グッドモでの発表には、あえてフォーマットを定めていません。その結果、発表方法や共有される資料も、自然と発表者ごとの個性が表れる形になっています。コンセントはテレワークを活用するメンバーが多く、ふだんの業務で関わらないメンバーの人柄を知る機会が少ないため、グッドモでの発表や司会とのかけ合いを通じてその人の人となりを知ってもらえるように心がけています。

オンライン会議の画面上で、スライドを投影しながら発表している様子。

メンバーをイラストでキャラクター化した発表スライド。いつの間にか発表者側も興味をもってもらうための工夫をすることが習慣化している。

伝えたいことが最大限に伝わるために

社内コミュニケーション、特に全社会議のように規模の大きなものになると、どうしても伝え手と受け手の意識差が生じます。だからこそコンセントでは、インナーコミュニケーションにおいてもユーザー(=全メンバー)にぜひ知ってほしい情報をいかに自分ごと化して受け取ってもらうか?をコンセプトに、全社会議をデザインしています。

グッドモは2024年で5年目を迎え、実は司会も私から次の人に交代しています。時代に合わせたアップデートを加えながら、今月も開催されています。

中岡ともう1人の司会が、次の司会の肩を叩き、まかせたぞと激励しているイラスト。

[ 執筆者 ]

  • Facebookでシェアする
  • Xでシェアする

コンセントは、企業と伴走し活動を支えるデザイン会社です。
事業開発やコーポレートコミュニケーション支援、クリエイティブ開発を、戦略から実行まで一貫してお手伝いします。

ページの先頭に戻る