介護現場にサービスデザインの視点を持ち込む手引きをつくる
国立研究開発法人産業技術総合研究所様(以下、産総研)が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構様(以下、AMED)の「ロボット介護機器開発等推進事業(環境整備)」の一環として実施した、ロボット介護機器の評価プロセスにおけるサービスデザイン・リビングラボの活用、およびガイダンスの構築を支援しました。
- ドキュメント・スライド
- 事業開発支援
- メディア・コンテンツ開発
- クリエイティブ開発
[ プロジェクトのポイント ]
- 調査・分析から制作まで一貫した支援
- 具体案で意見を引き出し、方向を定めていく作成プロセス
- 読者が手に取りやすい構成とイラスト制作
プロジェクトの背景
産総研は、介護現場における人材不足が深刻化している中、ロボット介護機器の普及が進まない要因の一つとして、ロボット介護機器の現場での評価の難しさを課題に感じていました。
その解決には、ユーザーを中心にシステム全体を考えるサービスデザインやリビングラボの手法を取り入れた評価プロセスが有効だと考え、ガイダンスを作成し、現場での評価の効率性や有益性を高めることを目指していました。
コンセントは、2022年度より2年間にわたって、ガイダンス作成を支援しました。
※コンセントは、「ロボット介護機器を有効に活用してもらうための評価の準備と実施の手引き」および「解説編」を担当しました。
問題解決までのアプローチ
2022年度:調査支援
ロボット介護機器が介護の現場で有効に活用されるように、機器利用者の視点から有益な情報を得るための評価方法を示すことが本ガイダンスの目的でした。
そこで、介護現場の状況を考慮した有益なガイダンスの内容を検討するために、サービスデザインやリビングラボを活用したロボット介護機器の評価を実践している組織に対して、インタビュー調査を実施しました。
結果として、体制構築や関係づくりの重要性、利用環境・プロセスも考慮するなど、「ユーザー中心」「共創的」「全体視点」「反復的・連続的」といったサービスデザインの観点から現場での課題や工夫を示唆として抽出することができました。
2023年度:効果検証ワークショップ設計・運営&ガイダンス改訂支援
産総研は、調査結果を踏まえ、2023年に「ロボット介護機器臨床評価ガイダンス 第一版」を作成し、公開しました。しかし、開発企業をはじめとする読者にとって、本当に有益で使いやすいものになっているかわからないという課題感がありました。
そこで、ロボット開発企業やリビングラボ運営組織とのガイダンスの効果検証ワークショップを行い、内容やデザインを見直すプロジェクトを実施しました。
ワークショップでは、開発者にガイダンスの有用性を直接聞くのではなく、ガイダンスに記載してある項目を実際に行った過去の開発プロセスと照らし合わせてもらい、より実状に沿ったガイダンスへの改善を目指しました。
ワークショップの結果を踏まえ、読者ターゲットや内容を再整理し、「
(ロボット介護機器臨床評価ガイダンス 第二版)」および「 」として刷新しました。イラストを制作し、資料全体にわたって挿入することで、内容を直感的にイメージしやすくした。
クリエイティブのポイント
ガイダンスを改訂するに当たり、第一版にはなかったガイダンス作成側のメッセージや、目指すべき現場での評価の在り方・心得など、読み手が納得して評価に取り組むためのコンテンツを追加することを提案しました。具体的なページイメージを提示し、実感の伴う議論を行うことで、コンテンツの内容をすり合わせていきました。
また、全体の構成やイラストに工夫を凝らし、これから現場での評価に取り組もうとする読者が手に取りやすいように編集しました。
[ プロジェクト概要 ]
クライアント名 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 様 |
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URL | |
公開日/発行日 | 2024/04/10 |
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