朝日新聞厚生文化事業団   小学生向け認知症 理解促進テキスト

画像:ダンボール製のVRゴーグルと、認知症フレンドリーキッズ授業で使用される冊子。表紙には大人と子どもの顔のイラストと「認知症ってなに?」というタイトルが書かれている。

小学生に向けて、認知症を正しく
理解するための教材をデザイン

朝日新聞厚生文化事業団様による、小学生高学年を対象とした「認知症フレンドリーキッズ授業」。同授業は、コンセントの渡邊課が同事業団や朝日新聞社とともに制作したVR映像やテキスト教材が使用されています。授業は好評を博し、全国の小学校へと広がっています。

  • 雑誌・書籍・教科書
  • メディア・コンテンツ開発
  • クリエイティブ開発

[ プロジェクトのポイント ]

  • 小学生が認知症について身近に考えられるよう、漫画でわかりやすく表現
  • VR映像の内容と連携し、紙面で効果的に見せるための編集
  • 授業での議論を活性化させる問いの設定
画像(5枚中1枚目):冊子4,5ページの見開き。「認知症になるとどうなるの?」という見出しと、認知症当事者にとって困難なことがテキストとイラストで紹介されている。
画像(5枚中2枚目):冊子6,7ページの見開き。「認知症の人を見かけたらどうする?」という見出しと、認知症当事者への対応として好ましいことがテキストとイラストで紹介されている。
画像(5枚中3枚目):冊子8,9ページの見開き。右ページではマンガ風に構成され、認知症当事者が道に迷ってしまったらなんと声をかければよいかのシチェーションが描かれている。左ページには子どものイラストと吹き出しがあり、各々の考えを書き込むことができる。
画像(5枚中4枚目):冊子12,13ページの見開き。右ページではマンガ風に構成され、認知症当事者が実際にいないはずの人やものを見ていたらなんと声をかければよいかのシチェーションが描かれている。左ページには子どものイラストと吹き出しがあり、各々の考えを書き込むことができる。
画像(5枚中5枚目):冊子14,15ページの見開き。「認知症の人の気持ちになって、どんなことができるか考えてみよう」という見出しと、各々が答えを書き込むスペースがある。

プロジェクトの背景

認知症に対する正しい理解を促進するため、朝日新聞社が取り組む「認知症フレンドリー講座」。
これまで、認知症の症状を再現したVR映像での疑似体験が非常に効果的に用いられてきました。今回、小学生向けに「認知症フレンドリーキッズ授業」を展開するにあたり、映像とともにワークとして使用できるテキスト教材を作成したいとのご相談をいただきました。

画像左:認知症の症状を再現したVR映像のスクリーンショット。住宅街の路地を歩いているようす。右:認知症の症状を再現したVR映像のスクリーンショット。路地にある急な段差の階段を降りるようす。

VR映像では、認知症の人が感じている症状を再現しています。視聴者は、認知症当事者の「距離感や方向感覚がつかめなくなる」などの症状が日常生活でどのように現れてくるのかを追体験することができます。

問題解決までのアプローチ

言葉では知っていても、身近に認知症当事者がいるなどの経験がなければ、子どもたちにとって認知症はなかなか自分ごととしてとらえづらいもの。また、どうして認知症になるのかを理解するためには、脳のしくみを知る必要があります。なじみのない言葉も多く、難しく思えてしまうかもしれない医学的知識を伝えるため、内容を噛み砕きながら子ども達に正確に理解してもらえるように原稿を精査しました。

画像:冊子2,3ページの見開き。「認知症になるのはどうして?」という見出しと、人の脳をイラストで解説して「脳の病気である」ということが説明されている。

巻末には、子どもたちが授業を通し学んだことをさらに発展させて考えるワークを設置し、自分たちで解決策を見つけ出せるような仕掛けをつくりました。その結果「認知症の人はどんな想いで生きていると思う?」という問いには認知症当事者の感情を汲み取った意見が多く挙がりました。

画像:冊子10,11ページの見開き。マンガ風に構成され、認知症当事者が階段を降りることが困難な場合になんと声をかければよいか、吹き出しの中に各々の考えを書き込むスペースがある。

クリエイティブのポイント

VR映像の内容を漫画に再編集しテキストと連動させることで、前半は教科書的に参照しながら、後半はワークとして書き込みもできる設計にしています。
テキストの方はイラストをダイナミックに使用し、見やすく楽しく学習できるツールとなるよう心がけました。イラストはコルシカ氏に依頼。子どもたちの興味を惹き、学習意欲を高めるようポップな色づかいで明るい雰囲気にしました。
漫画のキャラクターは映像の中にも登場させ、全体をナビゲートする役割をもたせています。

画像: VR映像と冊子に登場する大人と子どものキャラクター

[ プロジェクト概要 ]

クライアント名 朝日新聞厚生文化事業団 様

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