光文書院   小学校向けデジタル教材「ドリルプラネット」開発

メインビジュアル:子どもがドリルプラネットを使って勉強している様子

子どもたちが自ら学ぶ力を育てる
前例にとらわれないデジタル教材の開発

全国の小学校に図書教材・デジタル教材などの教育サービスを提供している株式会社光文書院様(以下、光文書院)のデジタル教材「ドリルプラネット」開発のプロジェクトプラン策定、UX/UI設計、画面デザインを担当しました。

  • ウェブサイト・サービス
  • デジタルマーケティング支援
  • デジタルプロダクト開発支援
  • UXコンサルティング
  • クリエイティブ開発

[ プロジェクトのポイント ]

  • 先生や子どもたちの使いやすさを念頭に置いたシンプルな動線・UI
  • 教材の質を落とさず、デジタルならではの良さを加味できるコンテンツ設計
  • 学校現場の生の声をもとに恒常的にアップデートしていく体制の構築

プロジェクトの背景

ドリルプラネットは、文部科学省の推進するGIGAスクール構想の一環として、全国の公立小学校に配布されているタブレット端末での学習を想定し開発したデジタル教材です。開発プロジェクトの立ち上げに当たり、本教材の前身となるデジタル漢字ドリル「デジ漢」開発プロジェクトで設計・デザインを手掛けていたコンセントにお声掛けいただきました。

問題解決までのアプローチ

最初にいただいた要件は、以前に紙教材の付録として開発したデジタル教材「デジ漢」「デジ計」を、有償で提供する教材として再開発したいという内容でした。

そこで、コンセントのグループ会社でデジタルプロダクト開発に強みをもつ株式会社PIVOTにも協力を依頼し、プロダクト開発要件定義のためのPMO(Project Management Office)を立ち上げました。「デジ漢」「デジ計」の資源をどのようにドリルプラネット開発に活用するかという方針を立てるための現状調査を進めながら、バックエンド・フロントエンド開発に必要な体制を整えていきました。

開発のファーストステップとして、PMOから各部門担当者へのヒアリングを行いました。ドリルプラネットを通してどのような価値をユーザーに提供したいかといったコンセプトに関わる部分をはじめ、プロモーションの手法や、受注からアカウント設定、問い合わせ応対に至るまでどのような業務フローを想定しているか。サーバーやプログラム言語は何を利用するかなど、必要な情報を収集しシステム要件定義に落とし込みました。

上記と並行して、プロダクトのコンセプト定義とUX/UI設計を行いました。どのような児童・教師が、どのようなシチュエーションで、どのようにドリルプラネットを利用することが光文書院が支援する教育の形としてふさわしいのか。オンライン・対面を交え関係者で議論を重ねながら、プロダクトリリースに到達しました。

図:小学校の「宿題」に関するユーザーフロー。デジタル教材を使用する際、先生、児童、保護者がそれぞれがとるアクションとフローが図化されている

ヒアリングをもとにユーザーフローを作成し、各場面でドリルプラネットで提供すべき機能を整理。

ユーザーの要望に応えて成長するプロダクトであるために、リリース後はスピーディーに「現場の声」をドリルプラネットに反映できるよう、ウォーターフォール型だった開発形態のアジャイル型への変更を試みました。

株式会社Undershaftのメンバーをスクラムマスターに据え、アジャイル型開発に適した同期型のコミュニケーションを重視する会議体設計などを行い、柔軟に要件を組み替え、スピード感のある意思決定ができる体制をクライアント・開発メンバーで協議し整えました。

教育現場にもいよいよICT化の波が訪れタブレット端末活用の定着、さまざまなデジタル学習教材の登場、教師・児童のデジタルリテラシーの向上など、ドリルプラネットを取り巻く環境は刻一刻と変化しています。ユーザーの声を取り入れながら、短期での開発・リリースサイクルを実施し改善を繰り返すことに、チーム一丸となって取り組んでいます。

クリエイティブのポイント

光文書院が長年にわたる教材開発を通じて確立した独自メソッドによるコンテンツを、デジタルの特色を生かして効果的に学習可能にすることが設計・デザインのポイントです。学習結果に応じた分岐やサポート機能へのスムーズな移動など、ユーザーが「自ら学びを深められる」動線設計を行いました。

デジタル教材のキャプチャ1:漢字の自主学習画面

児童が自分の進度に合わせて学習内容を選ぶことのできるシンプルな動線

デジタル教材のキャプチャ2:漢字と算数の学習画面

学習の結果は即時判定され、解答に応じたフィードバックが行われる。

学習意欲の維持も大切です。トイ・ストーリーのキャラクターを随所に配置したり、宿題に対して個別に教師から任意でのコメントフィードバックを可能にするなど、無機質なコミュニケーションにならないように配慮しています。

デジタル教材のキャプチャ3:ログイン画面

ドリルプラネットにログインすると、トイ・ストーリーのキャラクターがお出迎え。

デジタル教材のキャプチャ4:学習記録の確認画面

学習のがんばりがポイントによって見える化され、その蓄積でごほうびが獲得できる仕組み。

従来の黒板・ノート・紙ドリルなどを活用したアナログ学習にはアナログの、デジタル学習にはデジタルの良さがあります。それぞれが競合するのではなく、相乗作用でより効率的で、新しい学び方が生まれる。学校現場の今に耳を傾け、環境変化に応じた学びの方法論をアップデートしていく。クライアントと共に従来のデジタル教材の在り方にとらわれない開発を目指しています。

[ プロジェクト概要 ]

クライアント名 株式会社光文書院 様
URL https://kobun.co.jp/drill-planet/
公開日/発行日 2023/04/01

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