サービスデザインの未来について考察した、ケルン国際デザイン大学教授のBirgit Mager氏によるレポート『The Future of Service Design』を、コンセントにて翻訳、日本語版として研究者向けSNS「Academia.edu」にて公開いたしました。
COVID-19の影響を始めとした“視点の転換”を要するさまざまな課題が生じている現在、世に出て25年経つサービスデザインも、ある面では普及・成熟しつつも、またある面ではいまだ発展段階とも言えます。
『The Future of Service Design』は、そうした背景を受け、「サービスデザインはこれからどうあるべきなのか?」という問いを探るための思考とインスピレーションの糧となる考察や専門家の発話の数々が凝縮されたレポートです。サービスデザイナーの国際的組織Service Design Network(以下、SDN)の共同設立者で代表を務めるBirgit氏が、ケルン国際デザイン大学の学生とともに2020年から始めた専門家・デザインコミュニティを対象にした調査と、ケルンで開催されたサービスデザインサミットの分科会での議論を経て「未来のアーティファクト」としてまとめたものを、専門家へのさらなるインタビューを通して凝縮・発展させ、その成果物として2020年10月に発行しました。
今回、公開したものはこの『The Future of Service Design』の日本語版です。コンセントのシニアサービスデザイナーでSDN日本支部共同代表/SDNアジア地域支部統括メンバーも務める赤羽太郎が、日本における本レポートの必要性を感じBirgit氏に相談。氏の許諾と協力を得て公開が実現しました。翻訳にはコンセントのサービスデザイナーの長尾真実子と猪瀬景子も参加しています。
サービスデザインの国際組織であるSDN日本支部が立ち上がり、第1回となるService Design Japan Conferenceが開催されておよそ10年が経ちますが、サービスデザインが認知され実践する企業や行政機関が増え続けている一方、この10年で取り巻く環境は変化し、実践する上での課題も多く見られます。
「企業組織」「行政」「教育」「テクノロジー」「倫理」「持続可能性」「組織文化」「未来予測」の8つのテーマごとにサービスデザインの未来を考察する本レポートが、1人でも多くの実践者の方々の目に触れ参考となることで、サービスデザインを通した社会や人へのより一層の寄与につながっていければと思っています。
『The Future of Service Design』日本語版 公開ページ
Academia.eduサイト内「The Future of Service Design, Japanese Version」
※ブラウザ上で全ページの閲覧が可能です。
※PDF版のダウンロードにはサインアップが必要です。
なお、原書『The Future of Service Design』の著者Birgit氏より、今回の日本語版の発行に寄せてビデオメッセージをいただきました。SDN日本支部の公式YouTubeチャンネルにて公開しておりますので、合わせてご視聴ください。